ポール・ハロップ
車を走らせる時に必要な情報についてとその表示手段について考えるのに、いくらかの時間を費やしました。そして、利用可能なスペースを見ました。タコメーターは微妙な問題でした。というのも、超高性能スポーツカーにおいてそれを2番目のポジションに動かすことは伝統に対する抵抗することなのですが、多くの現代のレースカーでは読み取らなくてはならないレブカウンターはないのです。ギアシフトを促す一連のランプがあって、それを見ていなかったときのためにレブリミッターが備えられています。ですから、ちょっとしたガイダンスとエンジンの保護機能を提供しました。今日の路上では、スピードメーターが実際上はさらに重要なものです。
タスカンでは、指針のある計器はスピードと燃料と水温計です。そして、それら3つは中央にある同じポッドの中に設置されている、従来の円形のゲージです。それら3つは傾向を見る必要があるものだと考えています。いつのも場所にない針が状況を教えてくれます。数字を表示するデジタルの計器は、それを読み取って情報を翻訳しなくてはならないことを意味し、ある意味苦痛です。
ステアリングホイールの裏のポッドに全てのメーターを入れたのは、ステアリングやシートをどのように調整しても見ることが出来るためです。スピードメーターは大きな外側の文字盤で、その中央は現代のレースカーに付いているような「知るべき必要のある」ディスプレーです。欲しいインフォメーションを表示するように切り替える事が出来ます。「燃料残量低下」や「電圧低下」といった制限値を超えたものを最優先で表示する警報装置があります。シビアなワーニングである「水温上昇」や「油圧低下」についてはブザーも鳴ります。ポッドのもう一つの主な理由は実際的なものです。ポッドは計器板の全てであり、3つの小さなボルトと一つの36ピンコネクターで取り付けられています。簡単に取り付けられ、問題があるときに簡単に直せます。
先に「知るべき必要がある」と言ったのは、必要な時に知ることが出来るということです。油圧が32psiの時には、油圧を知る必要はありません。知らなくてはいけないのは、最低限度を下回ったときです。他にも、役には立ちますが必要不可欠ではない多くの情報があります。エンジンが何サイクルしたかという様なものです。究極的には、最近のレースカーに付いている、ピットウオールに置いた携帯用ビーコンを読み取ってサーキット走行でのラップタイムを知らせるようなセンサーが欲しいですね。
全ての計器は自社工場で作っています。始まりは、ピーター・ウィーラーがどうしたらサーブラウのドアロックを無くせるかと尋ねたときでした。外部で作られている我々が欲しかった物を入手しよう考察すればするほど、もしそれを今年適正な価格で求めようとするなら自分たちで作るのが合理的であると言うことがさらに実感されました。計器のときも同様にそうでした。既製品とは全く異なってているので、ある品物にはとてもばかげた見積もりが提示されました。持ち合わせから簡単に作り替える様なことが出来ないものであり、納期は来年ということもありました。なので、私が思うには、私たちは計器板を自分たちで作っている唯一のメーカーであると思います。難しくはありませんでしたが、簡単な事でもありませんでした。ダッシュポッドは一種のセントラルコントローラですから、単なる表示装置以上の機能があります。
サイドウインドウのスイッチは、いまやTVRの伝統となった、ストッパーが無く継続的に回すことが出来る小さなアルミのノブが、トランスミッショントンネルの上にあります。2,3クリックさせると、それに比例した量だけ窓が開きます。4クリックならより多くあき、もし全開や全閉させたいなら、ノブをシューッと回します。ユーザーの利点としては、ボタンを指で押し続けなくて良いですし、私たちにとっての利点としてはインクリメントで窓を開けるソフトが既にあることです。
窓はサッシュレスで、風切り音を低減するために完全に閉めた状態では屋根の溝に入ります。ドアを開ける為には下げなくてはなりませんが、電気的に自動で行われます。サーブラウで使っていたシステムと同様のものです。
リアのウインカーランプにはLEDを採用しています。それには2つの理由がありました。オリジナルのテールランプを作ってもらうには少なくとも100万ポンドはかかりますが、単に私たち自身、それがあったらいいと考えたのです。しかし、LEDには他の利点があります。LEDは一種の自己完結型のライトユニットで取り付ける手段も提供されています。望む大きさのランプユニットを作ることが出来るし、従来のバルブのようにレンズは必要ありませんし、エネルギー消費も少なくて長寿命です。欠点としては、非常に方向性があり、バルブのように光を拡散しないのでたくさん取り付けなくてはならないことです。私たちのインジケーターはLEDがたくさん押し込まれたアルミのプレートで、全てが微妙に異なる角度になっているので、レンズと同じような効果を得ています。それを作るのには30分ほどかかります。他の理由はサイズです。アッセンブリーはとても浅いので、トランクスペースを大きくすると言う目的でした。実際はインジケーターはリアのロールケージに上げられているのですが、最初の目的の一つはそうでした。
[2009.11.27]